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凍てつく寒さに、光るもの 『ジャン・ブリカールの道程』 ジャン=マリー・ストローブ ダニエル・ユイレ

この冬は寒いです。三月でもなかなか。正月に茨城の田舎の実家に帰ったら、婆さんが入院していてちょうど空いた離れに泊まりました。田舎の家なんで、壁が無い、障子と襖で出来てる。そんでもっていつも泊まる客間の大広間は、人の動きが直に伝わってきて煩いので、母親が気を遣ってくれたわけ。

もう婆さんも100歳出し、あの病院はいつまでも居られる病院らしい、母親の母親もあの病院で死んだし。まあでもそれも人生。見舞いに行っても結構元気で、短歌などを書いていた。

だが田舎の家は寒い、とにかく寒い。特にお風呂が寒い。なんせ風呂なしアパート住まいとは言え、銭湯にしろジムのジャグジーにしろサウナにしろそういう代物に入っているわけで。まああ寒い。

昼間は縁側で日向ぼっこをしながら、本などを書いていたが。ちょうど高台にあって、昔は竹林とか、杉の木とかが邪魔で見えなかったのだけれど、この所、親父が退職してから、庭もきれいに、辺りの竹林も、藪も、屋敷森も綺麗にしてしまったので、地平線のあたりまで見えるほど眺望が良い。

特に前は、畑。柿畑で柿の木が葉を落とし、じっと佇んでいる。その姿にふっと惹かれたわけで、まあ、柿とりように、低く地を這うように、何本もの柿の木が向こうに続く。その先には、家のでは無いけれど、桑畑。葉を落とし、蚕の餌で新しい枝が切り落とされて、その高さで固定して地面から生えたコブシのようにゴツゴツした塊。そこから白い針金のようにすっと伸びる、何本もの細い枝。

凛とした空気の中、ただ立っている木の、その姿が妙に美しい。ああこれってどっかで見たなあと思ったのが、『ジャン・ブリカールの道程』

ちなみにこんな映画
ジャンブリカールの道程
ジャン・ブリカールの道程
Itinéraire de Jean Bricard 2008年(40分)
監督/ジャン=マリー・ストローブ ダニエル・ユイレ
撮影/ウィリアム・ルプシャンスキ
ジャン・ブリカールは1932年にロワール河近辺で生まれ、その地域で暮らし、92年に引退するまでヴェルト島の砂質採取事業の責任者だった。ドイツ占領期などの過去を振り返る彼の談話は、1994年2月24日に社会学者ジャン=イヴ・プチトーが録音したものである。

ドイツ、コトン島と言うロワール河の島を、ボートにカメラを据えて走りながら、じっと写し続ける。そんでもって船でぐるっと回って、まあ島に上陸して風景を写していく。湿った、どんよりと重い寒さの、冬。雨がふってたかな? でもどんよりと霙のような。

ただ、それだけなんだよね。

初めて見たときは、あのあまりに厳しいモノクロームの冬、寒さは、つらかった。
ただ、なんかで読んだんだけれど、ボートの上であの撮影をするのは至難の技らしいです。不安定だし、更に動いているわけだから。一瞬の気の緩みも許されない、ただ撮っているようで、そこには冬の寒さより厳しい撮影の気迫があるのかもしれない。

その厳しさ。それは凍てつく冬の寒さによって鍛えられる。枯れ木の枝のその微妙な陰影。東京への帰りに、車で常磐道を走りながら、ずっとそんなことを考えながら見てたら、利根川を渡ると、枯れ木の風情も優しくなって、ぼんやりと美しく無くなる。あったかいのね。

やっぱり、凛とした美しさは、厳しさの賜物なのやもしれん。
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