FC2ブログ

ブログtop > スポンサー広告 > 諦めより、深く・・・くるしみ。 俳優座公演 チェーホフ『ワーニャ伯父さん』

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブログtop > 演劇 > 諦めより、深く・・・くるしみ。 俳優座公演 チェーホフ『ワーニャ伯父さん』

諦めより、深く・・・くるしみ。 俳優座公演 チェーホフ『ワーニャ伯父さん』

ちょっと前、9月に俳優座で、『ワーニャ伯父さん』の公演があって、ずっと前に『三人姉妹』見た時はいまいちだったんですけど。知り合いの志村さんがアーストロフ役で出てて、まあ見て見ようかなあと思って、久しぶりに俳優座アトリエです。

ワーニャ伯父さんって、初めてだと筋が良く分かんなかったりするんですよね。『森の精』って言うチェーホフが前に書いて「この劇を私は憎悪している。忘れようと努力している」なんて感想をもってる戯曲の書き直しです。

大きく違うのは、「森の精」だと不幸なワーニャ伯父さん(名前は違ってたと思う)が自殺して、その自殺によってみんなが改心して、まあ目出度し目出度しみたいに円環が閉じてる。ちょっとシェークスピア喜劇みたいな匂いもする。
でも、『ワーニャ伯父さん』では、自殺に失敗する。円環は閉じないんです。死ぬことも許されない。
人生に裏切られ、みんなが去って行く。恋に破れた姪のアーニャと二人。残された農場で、もくもくと働き出す。

悲しいんです。何とも言えない、それは諦めでさえない、もっと深い苦しみ。アーニャの台詞。

アーニャ  「運命が私たちにくだす試みを、辛抱強く、じっとこらえていきましょうね。今のうちも、やがて年をとってからも、片時も休まずに人のために働きましょうね。
そしてやがて年をとったら、素直に死んでいきましょうね。

あの世へ行ったら、どんなに私たちが苦しかったか、どんなに涙を流したか、どんなに辛い一生を送って来たか、それを残らず申し上げましょうね。
すると神様は、まあ気の毒に、と思って下さる。

そのときこそ伯父さん、あなたにも私にも、明るい、すばらしい、なんともいえない生活が開けて、まあ嬉しい!って思わず声を上げるのよ。

そして、現在の不幸せな暮らしを懐かしく微笑ましく振り返って、ほっと息がつけるんだわ!
わたし、本当にそう思うの、心底、燃えるように、焼けつくように、そう思うの。
・・・・ほっと息がつけるんだわ。」
                                   (『ワーニャ伯父さん』神西清訳)

何回か見てるんですけど、俳優座の公演で意外だったのが、ワーニャ伯父さんの林宏和さん、二枚目なんですね。今までだと、昴の北村総一郎さんだとか、黒テントでは柄本明さんだったり、まあ「おじさん」ぽい人だったのが、そうじゃあない。
でも、演劇の異化の力だと思うんですけど、苦しみの深さが、一番伝わってきました。熱演だった所為もあるだろうけれど。ラスト、帳簿をつけながら、働き。苦しみを湛えたアーニャの台詞に、本当に涙が堪えられない様にも見えて。
演出と翻訳を兼ねた、袋正さんの、力の賜物だとも思います。久しぶりに良いチェーホフでした。

年に一回ずつチェーホフ連続上演があるみたいです。面白そう。
スポンサーサイト

コメント:

コメントの投稿
  • URL
  • コメント:
  • パスワード
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:

トラックバック URL: http://combray.blog.fc2.com/tb.php/6-daec156c

profile

オカダヒサオ

Author:オカダヒサオ
本書きです。公演もする事になりました。

公演情報と、その他もろもろ、書きます。

entry
comment
trackback
archive
category
form
rss
link
qrcode
QR
copyright
Author by オカダヒサオ

Designed by マンゴスチンw

岡田久早雄プロデュース
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。